「今日はあんまり眠れていないな……」このようなとき、朝から調子が悪いということもあるのではないでしょうか?
私も睡眠不足のときは、朝から晩まで気分がどんよりしていることがよくあります。
そこで今回は、寝不足だとなぜ気分が落ち込むのかについて調べてみました。
毎日を「できるだけポジティブに過ごしたい!」という方はぜひ参考にしてみてくださいね。
睡眠不足だと気分が落ち込む……
今日は全然眠れなかったから、頭がクラクラする。やる気もまったく起きないよ。
このような経験がある方も多いかもしれません。睡眠のお悩みって永遠のテーマですよね。
ところで、みなさんは何時間くらい寝ていますか?
人によってさまざまかとは思いますが、適切な睡眠時間は、7~8時間ほどといわれています。
睡眠は毎日するものですが、いつも同じ睡眠時間を確保できるとは限らないですよね。
- つい夜更かししてしまった!
- 早起きしなきゃいけない用事がある
- 途中で目が覚めてしまった
このような経験がある人も多いのではないでしょうか。
私は早起きしなきゃならないのはわかっているのに、夜更かししてしまうことがほとんどで、常に気分が落ち込んでいます。(笑)
人によって適した睡眠時間は違う
もちろん全員が同じ睡眠時間が必要なわけではありません。
ショートスリーパーで3~4時間くらいの睡眠時間で足りている人もいれば、10時間以上寝なければ体調が悪いロングスリーパーの人もいます。
そのため、自分が起きたときに一番気分がいい睡眠時間を把握しておくことも大切です。
私は8時間は寝ないと気分が優れない……
5時間以上寝ると体調を崩すショートスリーパーさんもいるよ!
私はショートスリーパーの人に憧れはありますが、生まれつきの特性もあるので、無理は禁物ですね。
睡眠不足はいろいろな支障をもたらす
毎日やることが多すぎて、睡眠時間を削らないと生活できないという人もいるのではないでしょうか。
ただ、生存にかかる根源的な欲求のひとつである「睡眠」は、不足するとさまざまな影響をもたらします。
睡眠不足が続くと日中の慢性的な眠気が生じ、疲れやすさ、集中力や注意力の低下、イライラ感などが起こって、日常生活に支障が出てきます。また、不眠のある人、睡眠が極端に短い人や長い人では、糖尿病、高血圧、脂質異常症といった生活習慣病が起こりやすいことがわかっています。
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_595.html
このように気分が落ち込むだけではなく、疲れが取れない、怒りっぽくなる、体調を崩しやすくなるなど、心にも体にもよくないことが起こりやすくなります。
私は先日「あんた、昔と性格が変わったんじゃない?」と母に言われました。イライラすることが増えたからかもしれません。もしかしたら睡眠不足が関係しているのかもと感じました。
自分に心の余裕がなかったな~と反省
睡眠不足が心にどのような影響を与えるのか、もう少し詳しく見ていきましょう。
①ストレスを感じやすくなる
嫌なことがあっても寝て起きたらスッキリ忘れていたという経験はないでしょうか?
人間は睡眠中に頭の中の情報を整理。そのときに、ストレスも整理されて自然と減っていきます。
しかし、睡眠不足が続くとストレスの整理が追い付かなくなり、どんどん蓄積していくのです。
ストレスは気持ちがモヤモヤしたり、気分がムカムカしたりするだけではありません。
体調不良、睡眠障害(中途覚醒、早期覚醒、入眠困難)などを引き起こす場合もあるので注意しましょう。
②イライラ、怒りっぽくなる
人間の脳には扁桃体(へんとうたい)という、怒りや恐怖などのネガティブな感情を司る部位があります。
いつもは正常に感情をコントロールしているのですが、睡眠不足で自律神経のバランスが乱れることで、扁桃体が刺激を受けやすくなります。
そのため、アドレナリンが過剰に分泌され、怒りの感情を高め、制御が効かなくなるのです。睡眠不足によって、普段よりも怒りっぽくなり、些細なことでイライラしてしまのはそのためですね。
米イリノイ大学の研究でこのような結果が発表されていました。
十分な睡眠をとった人は騒音に順応し、怒りが少なくなった一方、睡眠不足の人は騒音に反応して怒りが高くなり、増幅した。これらのことから、睡眠不足ではイライラする状況への感情的な適応が損なわれることが示唆された。主観的な眠気は、怒りに対する睡眠不足の影響のほとんどと比例していた。また、オンラインの競争ゲームの後の怒りの感情について調べた関連実験でも、同様の結果となった。
https://www.nibiohn.go.jp/eiken/linkdediet/news/FMPro%3F-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=72530&-lay=lay&-Find.html
このように、充分な睡眠をとった人に比べて、睡眠不足の人はイライラしやすく、増幅しやすくなってしまいます。
③やる気が出ない
睡眠不足だと「体が重い」「何だかダルい」このように感じることが多いのではないでしょうか?
十分に睡眠が足りていないと、疲労感や倦怠感に襲われため、やる気が低下してしまいます。
たとえば、昼夜逆転の生活をしていると、脳の疲労感が強くなり自律神経の乱れを引き起こす原因となります。
「朝方に寝て夕方に起きても、寝ている時間が長ければ問題ないでしょ?」と感じるかもしれませんが、日中に太陽に光を浴びることが重要です。
太陽光を浴びると、セロトニン(幸せホルモン)と呼ばれる脳内物質が増えて気分が高揚します。
いつもやる気が出ないという方は、太陽光を浴びることを習慣にするといいですね。
睡眠不足だとネガティブになりやすい
睡眠不足だとネガティブな思考になりやすいという研究結果も出ています。
それだけ睡眠とネガティブ思考の関係は密接ということなんですね。
睡眠不足=ネガティブ思考に関する研究
ノルウェー科学技術大学のサクスビク=レフイリアー准教授は研究結果をこのように発表しています。
ポジティブな感情は、睡眠を1晩減らしただけで悪化し、3夜後にはさらに低下した。ポジティブな感情が少ないことがメンタルヘルスに大きな影響を与えることはすでにわかっている。
https://www.nibiohn.go.jp/eiken/linkdediet/news/FMPro%3F-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=71314&-lay=lay&-Find.html
凄くないですか?
1晩寝ないだけで悪化ということは、目に見えてわかるくらい悪くなっているということですよね。
たしかに、24時間ずっと起きていてポジティブを保っている人は見たことないかも。何かしら愚痴ぽいことは吐いちゃいそう。
「侵入的想起」を繰り返すことも
米・ビンガムトン大学の研究結果によって、睡眠不足の人は、ネガティブな感情にとらわれやすいのはもちろんのこと、「侵入的想起」を繰り返しやすくなるそうなんです。
一日8時間未満の睡眠は、嫌な気持や不快な記憶が頻繁に思いこされて日常に支障をきたす「侵入的想起」を繰り返す原因になるという。これは、不安障害やうつ病の患者に見られる症状だそう。
https://www.womenshealthmag.com/jp/wellness/a62522/sleep-disturbances-linked-to-negative-thoughts-anxiety-depression-20181024/
侵入的想起は、不快な記憶や考えを頻繁に思い出してしまい、それ以外のことが考えられなくなること。
想起が原因で、眠れなくなってしまうこともあるんだとか。負のループですね。
ネガティブ思考のループを断ち切るには
ネガティブ思考になると、悪い考えがさらに悪い考えを生み出してしまい、負のループに悩まされることがあります。
このようなときは、睡眠が有効です。眠って思考を一度リセットしてみるといいでしょう。
寝ることで物理的に思考を断つことができます。
いろいろ考えてしまって眠れない場合もありますが、一旦思考をストップして「無」になってみてください。いつの間にか眠りについているはずです。
ネガティブ思考に陥っている状況から一時的に離れると、いま置かれている現状を客観視できる冷静さを取り戻せます。
睡眠は時間だけでなく質も重要
睡眠時間は確保できているから大丈夫!とは一概にいえません。
睡眠は「何時間寝たか」ということも大切ですが、「どれだけ疲れがとれたか」という質にも注目することが必要です。
いくら長い時間眠ったとしても、その睡眠が休養につながらなければ意味がありません。
あなたは、朝起きたときに疲れが取れていますか?
- 寝床に入ってあれこれ考えて眠れない
- すごく疲れているはずなのに眠れない
このような場合は、質のよい睡眠がとれていないのかもしれません。
大きなストレスがかかると脳が興奮状態になり、眠れてもすぐに起きてしまう、質の悪い睡眠になってしまいます。
ストレスの元になっているものを取り除くことも大切です。
良質な睡眠とは
ぐっすり眠れている人は「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」が交互に現れているとされています。
レム睡眠とノンレム睡眠は、眠りの深さを示す概念です。
レム睡眠とは、浅い眠りの段階のことで、レム睡眠中には夢を見ることが多いといわれています。
夢を見ることが多いのは、睡眠が浅くなっているからのかな?
熟睡できている人の睡眠は、ノンレム睡眠の深い眠りからスタート。就寝後1時間ほどで、だんだんと眠りが浅くなりレム睡眠へと移行します。
そして、再び深い眠りに入ったあと、眠りが浅くなってレム睡眠になるのです。
このような約90分の周期が一晩に3~5回ほど繰り返され、朝起きたときにスッキリとした目覚めになります。
質の悪い睡眠は、浅い眠り(レム睡眠)が続いている状態です。深い睡眠(ノンレム睡眠)ができていないため、寝ても疲れがとれないことが多くなります。
昼寝もおすすめ
夜間に十分な睡眠時間を確保できなかった場合は、短い時間でいいので昼寝をするのがおすすめです。
仮眠をとると、脳の疲労軽減や眠気による午後の作用能力低下を回避することができますよ!
昼食後から14時くらいまでの間に仮眠の時間を取りましょう。15分〜20分程度がスッキリ起きられる時間とされています。
スマホのアラームを設定するといいかもね!
30分を超えるとノンレム睡眠になり、スッキリ起きれなくなってしまうので注意が必要です。
仮眠で睡眠不足を解消できるわけではないので、応急処置として活用しましょう。
気分が落ち込んだときのリラックス方法
睡眠不足のせいで気分が落ち込んだときは、もちろん十分な睡眠を取ることが大切です。
でも、なかなか睡眠時間を確保することが難しいかもしれません。
そのようなときは、自分なりにリラックスできる方法を見つけてみましょう。
- 2時間ほど太陽光を浴びる(窓際に座ってもOK)
- ハーブティーを飲む
- ゆっくり深呼吸をする
- 好きな音楽を聴く
- 軽めの運動をする
- 香りを楽しむ
- 瞑想(マインドフルネス)をする
- モヤモヤを紙に書きだす
睡眠不足でネガティブになったときは
睡眠不足で気分が落ち込むことは、研究でも証明されています。
ネガティブになる原因は睡眠だけが関係しているとは限りませんが、何が原因で眠れていないのかは把握しておくとよいかもしれません。
心のモヤモヤがスッキリすると眠られるという人もいるので、自分が落ち着ける環境を整えるのもおすすめです。